京 町 家

立地的には表の通リに面して建てられたものと、共用や専用の路地裏に建てられたものとがある。用途としては住まい、店、作業場などであるが、表通リは主に職・住兼用型が多く、わずかに仕舞屋、大塀造と呼ばれる住まい専用のものが点在する。路地奥には長屋で住まい専用のものが多く作業場兼用のものもある。職の内容はさまざまだが都心部は小売や卸しの商業が多く、機業地の西陣、東西本願寺のある下京では手工業の作業場が多い。又、釜座などの中世以来の座を起源とする町や、糸屋町あるいは堀川沿いの染色など、同業種が地域的に集中する傾向がある。
立地    用途


間取りは表通リからまっすぐ延びる土間に沿って部屋が並ぶ形式が中心である。土間は全体をトオリニワと呼ぶが、そのうち手前から、店に面するところは、ミセニワ、玄関に面するところはゲンカンニワ、そして炊事場はハシリ(流し)と呼ばれる。土間はごくわずかな例外を除き南側か東側にある。部屋は表通リから、ミセ、ダイドコ、オクの間と縦に3室が並ぶ一列3室型が基本形で、4室型のものは、ミセの奥が玄関になる。便所はオクの間の縁伝いに、庭に突き出して外便所と一体で設け、風呂をつけたしたものもある。また、オクの間と前裁をはさんで蔵が建つことも多い。2階に上るときは、ダイドコまたは玄関の奥の階段から上り、ナカの間のおくに座敷を設ける。厨子2階は表は物置であるが、総2階のときは、表にも2部屋ができる。又、店のトオリニワの上部に木置きと呼ばれる物置が設けられる
間 取 り

江戸から明治に引き継がれた京町家型のうち、職住兼用では、一番軒数の多い厨子2階型と、軒数はわずかではあるが、総2階型がそれに次ぎ、例外として3階型と平屋型とがある。また、住宅専用では、出格子や平格子の店構がなく、それが出窓に変わる仕舞屋型と、表通りとは、高い塀で仕切られ、建物が表に面さない大塀造型がある。格子や出格子は太い格子の間に細かい格子を1本か2本入れた子持ち格子が一般的だが、細かい格子を木間返し(木返し)に入れたもの、太い格子を荒く組んだものとさまざまであり、それは、入口の格子戸についても同様である。騒動をおそれた頑丈な米屋格子、光が欲しいために細かい格子を木間返しにして空隙率をたかめた糸屋格子、外から中は全く見えないが内から外はのぞけるお茶屋などの見張り格子(仕舞屋格子)、あるいは建具ではないが火が進入しないように塗りごめにした虫籠窓などは、機能的な要求によるものである。また、外観を構成する要素としては数は多くないが、バッタリ床几(ミセ床几)、駒寄せ(柵)、犬矢来などがある。
形態   意匠

外観  意匠

糸屋格子 犬矢来

バッタリ床几 駒寄せ

ショウキさん 忍び返し